夢と現実

某家電量販店店頭でPS3パワースマッシュ3をプレイしてみた。
PS2より段違いに画が綺麗なのはまあ当然として、動作の快適さが印象に残った。そもそもPS3は起動が早い。PS2と同程度ぐらいには早かったような気がする。キャッシュの体験版の起動もかなり早かった。
ゲームそのものは既存のテニスと同じようなもんなんだけど、選手の動きが滑らか*1な上に初心者向けなのか出鱈目なタイミングでボタンを押してもきちんと打ち返してくれる。テニスを経験してるとおもわずニヤリとしてしまうような動きも多かった。改めてPS3抱く期待が高まったわけです。
さて、Wiiリモコン登場時から囁かれてた疑問だけど、「あのプレイ様式は疲れないか?」というのが少し違う形で思い浮かんだ。あの操作方法(リモコンぶん回し)で面白いゲームができるのだろうか、と。
例えば前述のようなテニスゲーム。こっちの操作を都合よく解釈してくれて画面上のキャラクターが動いてくれるのは非常に愉快。深めのスライスを打つと同時にネットに詰める、なんて操作も数少ないボタンでできる。これを同じ操作をWiiでやろうとした場合、どんな動きをしなければならないのだろう。フォアハンドのスライスはラケットの角度が難しく、思い切りが悪ければ相手にチャンスボールを与えるだけになる。さすがに角度まで厳密に認識してくれと言うのも無茶だから(認識してしまうのなら初心者に敷居が高すぎる)スイングで判断するんだろうけど、そのタイミングはいつになるんだろう。今までのボタン操作では、キャラクターの動きのラグを予測して早めにボタンを押すのがあたりまえだった。そのラグをコンピュータ側が柔軟に調整することによって、誰でもテニスができた。
しかしWiiが動きのリンクを追及してタイミングまでプレイヤーに同期を求めたらえらいことになる。テニスなんて初心者はボールを打つことすらできない。タイミングを合わせて打てるようになるまでそれなりに練習が要る。またタイムラグを吸収してくれると言うなら、つまり自分が振った後でキャラクターが動くなら、そんなちぐはぐな体感ゲームに意味はあるのか。
限られた(単純な)操作で派手な動きをしてくれる、テレビゲームなんて元々そういうものだったはず。実際にそんなキャラクタの動きはできなくても、ゲームでなら実現できる。ゲームの中でくらいヒーローになりたいんですよ。それを現実の動きとリンクさせるというのは、確かに改革だ。だけど実際に体を動かして仮想空間でテニスするくらいなら、現実のテニススクール行けよ、ということです。

*1:自然な動き、とはちょっと違う